今回はハンドドリップを始めるときにまず揃えたいコーヒー器具の1つ、ドリップポット・ドリップケトルについて紹介します。「やかん」や「電気ケトル」で淹れられないの?と思う人も多いけど、コーヒーは勢いよく淹れすぎると味が薄くなってしまうのでそれだとかなり”調整は難しい”です。僕も挑戦したことあるけど、まともに淹れられないので正直おすすめしません。
なのでズバリ、おいしいドリップコーヒーを淹れたいなら”ドリップポットは必須です。今回はそんなドリップポットについて「選ぶ際のポイント6つ」と「失敗しないおすすめ3選」について紹介していくので、ぜひ参考にしていってもらえればと思います。
ドリップポットの選び方|おすすめのチェックポイント6つ
ということで、まずはドリップポットの選び方のポイント6つについて紹介していこうと思う
- まずは使用目的に合わせてサイズをチェックする
- 「ノズルの太さが一定のもの」を選ぶ
- 「注ぎ口が鋭利なもの」を選ぶ
- 「ノズルの形状がS字に近いもの」を選ぶ
- できれば「持ち手が輪っか状のもの」を選ぶ
- 1℃単位で温度設定できる「細口ノズルの電気ケトル」も候補に入れてみる
1. まずは使用目的に合わせてサイズをチェックする
人数 | おすすめサイズ(人数×2杯分) | 最小サイズ(人数×1杯分) |
---|---|---|
1人用 | 水量500~600ml程度 | 水量300~350ml程度 |
2人用 | 水量800~1000ml程度 | 水量500~600ml程度 |
ドリップポットとひとえにいっても、サイズは300ml程度のものから1000mlを超えるものまで様々ある
だから「何人用として使うのか」「最大何杯分淹れる可能性があるか」という点から、適切なサイズを選ぶことが大事
「毎回必ず1杯分しか淹れないよ」という方は少ないと思うので、最初はおすすめサイズ(人数×2杯分相当)の方を選んでおけば間違いない
2. ノズルの太さは一定のものを選ぶ
つづいて「ノズルの太さは一定のもの」を選ぼう。その方が湯量が一定となり、初心者でも安定したドリップが可能となります。

反対にノズルの太さが一定ではないものは、いきなり手を出さない方が無難だったりします。(例:カリタ コーヒー達人 ペリカン)こういったドリップポットは点滴のようにドリップしたり、逆に物凄い水量をそそいでドリップしたりと幅が広がるメリットはあるものの、正直難しいし腕も疲れます。だからそれらドリップポットは「慣れてきたら追加購入する」くらいで後回しにするのがいいと思う
3. 注ぎ口は鋭利なものを選ぶ
つづいて「注ぎ口は鋭いもの」を選びましょう。目安としては注ぎ口の角度が「45度以下(鋭角)」あるものが安心です。


というのも、注ぎ口の角度が鈍いドリップポットは液だれを起こす可能性があるからです。(▽参考)
液だれ:注ぎ口から水が漏れ、ノズル側面に沿ってお湯がたれてくる現象
液だれが発生する原因は「表面張力<重力」になって先端から水滴が落ちてしまうことにある
なので液だれを防ぐには、「水滴が乗っかっている状態(落ちない状態)」になる”鋭利な注ぎ口”を選んでおけばOK
お店なら水滴くらい気にしないかもですが、自宅でコーヒーを淹れるたび水滴がこぼれると意外と嫌な気持ちになるので、こういったドリップポットは出来るだけ避けた方が無難だと思います。
4. ノズルの形状はS字に近いものを選ぶ

つづいて「ノズルの形状はS字に近いもの」を選ぼう。その方がお湯をより直角に、コーヒー粉の近くで落とせるようになります。”棒状に近いもの”より”S字に近い形状のもの”、ぜひ覚えておいてください。
お湯が直角に落ちると「そのお湯はコーヒー粉に対してより均等に広がっていく」ので、全てのコーヒー粉から余すことなくコーヒー液を抽出することが可能となります。また適度にコーヒー粉の近くでお湯を注げれば、勢いが付きすぎてコーヒー粉の層が崩れなかったりします。
最初はよく分からないところですが、実はノズルの形状も意外と重要なポイントです。
ただやっぱ複雑な形状ほど値段は高くなりがちだから、ここは悩むポイントでもあります...
5. できれば「持ち手は輪っか状のもの」を選ぶ

つづいて「持ち手は輪っか状のもの」を選ぶとラクになります。これは特に高齢者など、手首を痛めやすい方は注意するといいかもですね。
手首の負担が大きいか小さいかについては、ドリップポットを支える”力の方向”がポイントになります。
たとえば次の2つの写真▽


それぞれの持ち方は結構違ってて、ドリップポットを無くすとこんな感じで支えていることになる▽


- 左:棒状の持ち手→手首の外側に力をいれて支える
- 右:輪っか状の持ち手→手首の内側に力をいれて支える
どっちがよりラクかといったら、後者の手首の内側に力をいれて支える方がラクですね。だからなるべく手首の負担減らしてドリップしたい方は、輪っか状の持ち手を選ぶようにするといいんです。(若い人なら特に問題ないんだけど...)
6. 1℃単位で温度設定できる「細口ノズルの電気ケトル」も候補に入れてみる

最後に利便性を重要視するなら、”1℃単位”で温度設定できる細口ノズル付きの電気ケトルも候補に入れるのがいいと思う。正直これは使い始めたらもう普通のドリップポットには戻れないほど便利です。電気ケトルとドリップポットの機能が合わさったものだから時短になるし、1℃単位で抽出温度を管理できればプロの味をより正確に再現できるようになります。
デメリットとしては「初心者向けの安いドリップポットより値段は高くなる」し、「高級のドリップポットより機能はすこし落ちる」んだけど、それでも候補とするには十分な価値がある。
できればまず細口ノズルの電気ケトルから買い揃えて、のちのち高性能なドリップポットに手を出していくのがおすすめです。
以上これらのポイントを踏まえて、ここからは全体的に有能だと感じたおすすめドリップポットを3つ紹介していこうと思う
ドリップポットのおすすめ3選まとめ

- 山善 電気ケトルEGL-C1280:おすすめ度5.0点
→最高に便利 1℃単位での温度設定が簡単にできる+ドリップポットとしての機能も高い。最初はこれでOK - タカヒロ コーヒードリップポット:おすすめ度5.0点
→ドリップポットとしての機能性が抜群。値段は少し高めだけど、プロも愛用する最高峰のドリップポット。 - ハリオ(HARIO) V60ドリップケトル ヴォーノ:おすすめ度4.0点
→約2500円で買えるコスパ最強のドリップポット。とりあえず揃えるなら、これを選んでおけば間違いない。
山善 電気ケトル EGL-1280
タカヒロ コーヒードリップポット
ハリオ V60ドリップケトル・ヴォーノ
山善 電気ケトル EGL-C1280| おすすめ度5.0点
「山善 電気ケトルEGL-C1280」は1℃単位での温度設定が可能な「電気ケトル」兼「ドリップポット」です。簡単操作で最適な温度のお湯を沸かしたらそのまますぐコーヒーをドリップできるので、時短・利便性を重視するならこれがおすすめです。

「山善 電気ケトル EGL-C1280」のメリット・デメリットまとめ
メリット
- 時短可能
- 一台二役と省スペース
- 比較的コンパクトなサイズ感
- 1℃単位での温度調節が可能
- 1時間の保温機能アリ
- 水キレが良く注ぎやすい
- ちょうどいい水量(最大水量0.8L)
- スタイリッシュでオシャレ
- 2つのカラー(ホワイト・ブラック)から選べる
デメリット
- 蓋の開け閉めがすこし固い
「蓋の開け閉めがすこし固い」というデメリットはあるものの、最大水量の0.8L以内で使う方にはほとんど問題なし。僕自身も最近はこればっかり使ってます。すごく便利で、特に朝コーヒーを淹れるときには欠かせないアイテムだと思う。
- 手軽に素早くコーヒーを淹れたいと思っている方
- スタイリッシュでコンパクトな、細口ノズル付きの電気ケトルがほしい方
- 1℃単位で温度調節と保温ができる、細口ノズル付きの電気ケトルがほしい方
タカヒロ コーヒードリップポット|おすすめ度5.0点
「タカヒロ コーヒードリップポット」は拘りの強いプロも愛用する、まさに最高峰のドリップポットです。とことんおいしいドリップコーヒーに拘りたい方はこれがおすすめ。

「タカヒロ コーヒードリップポット」のメリット・デメリットまとめ
メリット
- 注ぎ口の水キレがよく、太くも細くも微調整しやすい
- お湯を入れても持ち手が熱くなりにくい
- 蓋が落ちないストッパー付き
- 5杯用という適度なサイズ感で、幅広いドリッパーサイズに対応
- 直火、磁器調理器にも対応(底径幅には注意)
- 開口部が広く手入れもしやすい
デメリット
- 国内の新潟県燕市を拠点とし、職人の手によって製造されているため、値段は比較的高め
値段が高い(9000円弱)のがデメリットだけど、「安いドリップポットに不満を感じて何回も買い替える」くらいなら、最初からこれを選ぶっていう選択肢もありだと思う。ものすごくおいしそうなコーヒー豆を本気で淹れるときは、僕もこれを使ってます。(本気でじっくりと淹れるとき以外は「山善 電気ケトルEGL-C1280」がやっぱ便利なんだけど。)
- 長く愛用できる機能性の高いドリップポットを探している人
- 拘り派のプロと同じ道具を使いたい人
ハリオ(HARIO) V60ドリップケトル・ヴォーノ|おすすめ度4.0点
「ハリオ(HARIO) V60ドリップケトル ヴォーノ」は安価で性能がそこそこ良く、コスパが高いという点からコーヒー初心者のエントリーモデルとしておすすめしたいドリップポットです。とりあえずコーヒーを淹れてみたいという方は、まずこのドリップポットから使い始めてみるのがいいと思う。ちなみにサイズは800mlを選んでおくと無難です。(湯通し分のお湯を確保できたり、将来1~4杯サイズのドリッパーにも対応できるため。)

「 ハリオ(HARIO) V60ドリップケトル ヴォーノ 」のメリット・デメリットまとめ
メリット
- 注ぎ口の水キレがよく、太くも細くも微調整しやすい
- お湯を入れても持ち手が熱くならない
- ドリップ中に蓋が落ちない
- 3つのサイズ(500ml・600ml・800ml)から選べる
- 直火、磁器調理器にも対応
- 底径幅が広く、一般的な家庭用の五徳(ごとく)にもしっかり乗せることが可能
- 価格が比較的安い
デメリット
- バランス感はあまり良くないので、注水コントロールはすこし難しめ
- 水量の目安となる”目盛りがない”
デメリットも若干あるんだけど、価格とその他メリットを考えればかなりコスパは良い感じ。たとえば「ハマるか分からないから出来る限り出費を抑えてドリップコーヒーを始めてみたい」という方にとっては最適なドリップポットだと思う。
(ただもう少しお金を出せるなら、僕はコーヒー以外にも使い道のあって色々と便利すぎる「山善 電気ケトルEGL-C1280」の方をおすすめしたい。)
- これからコーヒーを始めようと思っている方
- とにかく安くて、でも十分長く愛用できるドリップポットを探している方
まとめ:ドリップポットのおすすめとその選び方【2021年最新】
以上、今回はドリップポットのおすすめとその選び方について紹介してみた。
あらためておすすめのドリップ3つについてまとめると、以下のとおりです。
- 山善 電気ケトルEGL-C1280:おすすめ度5.0点
→最高に便利 1℃単位での温度設定が簡単にできる+ドリップポットのしての機能も高い - タカヒロ コーヒードリップポット:おすすめ度5.0点
→ドリップポットとしての機能性が抜群 値段は少し高めだけど、プロも愛用する最高峰のドリップポット - ハリオ(HARIO) V60ドリップケトル ヴォーノ:おすすめ度4.0点
→約2500円で買えるコスパ最強のドリップポット とりあえず揃えるなら、これを選んでおけば間違いない
ドリップポットといっても色んなタイプのものがありますよね。初めのうちはどれにするか間違いなく迷うと思うんですけど、とりあえず今回紹介したものの中から、自分に合いそうなものを選んでおけば失敗はしないと思います。
以上、今回はこんなところで。ぜひ参考により一層コーヒーライフを楽しんでもらえたら何よりです。

KAIRI COFFEE