「抽出時間でコーヒーの味わいって変わるの?どんな風に変わるの?」
今回はそんなお話を紹介していきます
こんな疑問を持っている方は、本記事が参考になるはず…
- コーヒーはなんで人によって淹れ方が異なるの?
- 好みの味わいに近づけるために、抽出時間で気をつけるべきポイントって何?
- 深煎りと浅煎りの抽出時間の違いって何?
- 点滴ドリップってなんでやってる人がいるの?
難しい話はしないので、気軽にぜひ今後のコーヒーライフを楽しむために参考にしてみてください
そもそもコーヒーの味わい(表現)って何がある?

コーヒーの味わいを表現するときによく使われるのは、主に「酸味」「苦味」「甘味」「香り」「コク」「キレ」の6つ
とりあえずこれだけ知っていれば、豆を買いたい時なんとなくの特徴が掴めるようになるよ
そして、”抽出時間”によって変化する味わいの要素は「酸味」「苦味」「甘味」「コク」の4つ
香りとキレについては抽出時間との関係性が薄いないから、基本気にしなくて大丈夫
「コク」と「キレ」については意味が分からないという方もけっこう多いと思うので、そんな方は以下を参考にして下さい
コクとは、簡単にいうと「複雑で広がりや味わいの余韻がある味わい(感覚的なもの)」のこと
香り・油分の量・苦味や酸味・甘味を含めた全ての味わい(渋み等も含まれる)、味わいの持続性、とか全部ひっくるめた”感覚”
⇒「このコーヒー複雑でなんか深い」「なんか余韻がすごい」=「コクが強い」ってイメージでOK
ちなみにコクが強いことを「ボディが強い」って表現することもあるよ。ほかには香りのことをアロマと呼んだり…(難しいね)
キレとは、簡単にいうと「後味が引かずスッと消えていく感覚」のこと
コクが「渋み」や「余韻」を含めたものになるので、コクが強いとキレは悪くなることが多い
ただ…そう簡単ではないものも実際はあったりするんだよね…(豆によって決まることも多い)
以上、改めて”抽出時間”によって変化する味わいの要素をまとめると「酸味」「苦味」「甘味」「コク」の4つ
これだけ覚えておこう
つづいて「抽出時間によって、これらコーヒーの味わいがどう変化するのか?」について紹介します
コーヒーの抽出時間による味わいの違い

まず「どの段階」で「どんな味わい」が抽出されやすいのかを知っておこう
序盤(1投目の蒸らし):酸味が多く抽出されやすい
序盤~中盤(2投目):酸味の抽出は減り、主に甘味・苦味が多く抽出される
中盤~終盤(3~4投目):主に苦味・コクがゆっくり抽出されていく
※ネルドリップ・コーノ式フィルター等で点滴ドリップ(かなり時間をかける抽出方法)を用いる場合、コクはさらに追加されます
細かくいうと誤差はあるかもだけど、感覚・イメージとしてはこれでOK。
より簡単にまとめると…
抽出時間が”長く”なるほど「苦味・コクの強いコーヒー」になりやすい
⇒序盤の湯量が減り、終盤の湯量が多くなりやすいため
抽出時間が”短く”なるほど「酸味・甘味の強いコーヒー」になりやすい
⇒序盤あたりの湯量が増え、中盤~終盤あたりの湯量が減りやすいため
ここだけ覚えておくだけでも役立つと思う
ちなみに「注水スピード」「注湯量(レシピ)」によって抽出時間は自在に変えられると思いがちなんだけど、実はドリッパーによっても抽出時間はかなり変わってくる
たとえば”お湯が落ちやすいドリッパー”ほど、抽出時間は早くなり、酸味・甘味を感じやすい
反対に”お湯が落ちにくいドリッパー”ほど、抽出時間は遅くなり、苦味・コクを感じやすいスピード”
⇒つまりは、ドリッパーによって抽出しやすい味わいの分野が違ったりする
ということで次は好みの味わいにより近づけられるよう、「各種ドリッパーと抽出時間(味わい)の関係」についてもまとめていくよ
各種コーヒードリッパーによる抽出時間・味わいの違い

抽出時間が比較的速くなりやすいもの(酸味・甘味重視)
⇒円すい形ドリッパー:抽出口(下部の穴)が大きく、またお湯が滞留しにくい構造のため(例外あり)
例)ハリオV60、オリガミドリッパー、フラワードリッパーなど…
抽出時間が比較的遅くなりやすいもの(コク・苦味重視)
⇒台形ドリッパー:抽出口が小さく、またお湯が滞留しやすい構造のため
例)メリタ系の各ドリッパー、カリタ系の各ドリッパーなど…
ズバリ、ものすごいざっくり分類するとこんな感じ
コーヒーを始めようと思っている方については、まずここら辺を知っておけばいいと思う
ある程度コーヒーに親しみがあり「自分の好みや味わいの違いが分かってきた」という方は、その他以下ドリッパーの細かい違いも知っておくといいかも
その他、例外のドリッパー
- コーノ式ドリッパー
⇒コーノ式は円すい形ドリッパーだけど、構造的に遅く抽出されるため「コク・苦味が強めのコーヒー」を得意としてる
⇒あと灰汁(渋み・えぐみ)が抽出されにくい構造、比較的「点滴ドリップ」を主流としてるよ - クリスタルドリッパー
⇒円すい形ドリッパーだけど、独特なリブと小さな抽出口の形状によって「コク・苦味が”若干”強めのコーヒー」を得意にしてる(バランス型~苦味・コク強めのコーヒー) - ネルフィルター
⇒抽出速度は速くなる傾向ですが、まったりとした豆のオイルと豆の膨らみを生かし「コクが出るようゆっくり淹れる」ことが多いため、一概に分類ができない…(比較的「点滴ドリップ」が主流) - セラミックフィルター:セラミックフィルターは「モノ自体」によっても抽出速度が速かったり遅かったりするみたいなので、これはただ分類しにくい…(僕が持ってるのはけっこう抽出速度早い)
淹れ方による変化
ハリオV60は「ゆっくりと淹れる」ことで、コク・苦味の抽出量を増やしやすく「バランス型」にもなれます
※ただオリガミドリッパーやフラワードリッパーと比較すると、もともと抽出速度は遅めで酸味感も少なめ
他にも細かい点を言うと色々あるんだけど…
まずは大まかな特徴を抑えて「自分好みの味わいを抽出しやすいドリッパー」を選ぶ、ことを意識していくのがいいと思う
あと関連して「浅煎り」と「深煎り豆」によって抽出時間を変えるべきか、について答えていくと…▽
結論、大枠(蒸らし開始~抽出完了まで)の抽出時間は意図的に変えなくてもOK
でも豆の特徴にあわせて条件(ドリッパー・ペーパー・淹れ方等)が変わると、必然的に大枠の抽出時間は変わる
そして”複数回に分けてお湯を注湯する淹れ方”だと「それぞれの注湯ごとに時間・水量を変えることでどの成分をどれくらい出すか」を変えることもできる
⇒なので細かくいうと「浅煎り」「深煎り」それぞれの豆の良さを引き出すため、結果として大枠の抽出時間も細かい細部の抽出時間も”変わること”が多いです
だから結論としては…
”好きな焙煎度度合いの豆”を取り扱うプロから「ドリッパーおよび淹れ方」を参考にするのが一番の近道です
例)
⇒浅煎り豆が好き:浅煎り豆が好きで得意とするプロのドリッパー・淹れ方を真似
⇒深煎り豆が好き:深煎り豆が好きで得意とするプロのドリッパー・淹れ方を真似
たまにYouTubeとか見てると、”深煎り豆”を使って「浅煎り豆のレシピ」を評価してたりするんだけど…正直それはちがう
レシピは「豆の焙煎度合いによる特徴」を考えてそれに合うものを考案してるはず
だから、その条件は揃えた方がより正確に判断できる
「浅煎り豆なら浅煎り豆のレシピ」「深煎り豆なら深煎り豆のレシピ」ここだけ気をつけよう…!
まとめ:【コーヒーの淹れ方】抽出時間による味わいの違いとは?

以上すこし話が脱線したけど、今回は「抽出時間と味わいの違い」に関係のあることをまとめてみました
改めて覚えておいてほしいポイントを簡単にまとめると、次の3つ
- 抽出時間は、コクや苦味を重視するなら長く、酸味・甘味を重視するなら短く
- ドリッパーによって抽出時間はかなり変わる、そしてそれぞれ得意な範囲がある
- レシピ(淹れ方・ドリッパー)は「焙煎度合い」の条件を合わせてプロから真似しよう
僕も基本的は実際にカフェやコーヒースタンド、コーヒー豆専門店などに足を運び、プロの技を実際にみて真似してる
なかなか淹れ方を教えてくれるところは少ないんだけど…
もしそういうお店が近くに無い場合、あるいは早く淹れ方を知りたいって方は「YouTube」が参考になると思う
…色々紹介したんだけど、最後に1つアドバイス(?)
⇒レシピは”まず1つだけ”に絞ろう、そして”自分の好きな豆”を探してみてほしい
最初はその方がきっとよりおいしくて、充実した時間を過ごせるようになるはずだよ…!