今回はハリオの「浸漬式ドリッパー スイッチ(SWITCH)」を購入してみたので、詳しくレビューしていこうと思う
コーヒーの抽出方法としては主に「浸漬式(しんししき)」と「透過式(とうかしき)」の2つがある
先にそれぞれの違いを紹介すると、以下のとおり
浸漬式(しんししき)
コーヒー粉を一定時間お湯に漬け込んで、その後抽出口を開くことで一気に放出する抽出方法
⇒主に「フレンチプレス」がこの抽出方法となる
注湯スピードを考慮しなくていいので、初心者でも簡単にコーヒーを抽出できる
ただし、抽出効率は悪いので豆の消費量は多い
透過式(とうかしき)
コーヒー粉の層にお湯を透過(通り抜け)させて、徐々に抽出する方法
⇒基本的にはハリオの「V60透過ドリッパー」を含むほとんどの「ハンドドリップ」がこの抽出方法となる
常に新たなお湯を供給して抽出する仕組みなので、抽出効率が高く豆の消費量を少なくできる
また、注湯スピードのコントロールによって、コーヒーを味わいを微調整できる
ただし、注湯スピードのコントロールが必須なので初心者にはすこし難しめ
ということで「浸漬式ドリッパー スイッチ(SWITCH)」はかなり珍しいタイプのドリッパーとなるよ
なるべく簡単にハンドドリップを楽しみたいという方は、本記事をぜひ参考にどうぞ





※40枚のフィルター付き
(1日1杯なら40日分、2杯なら20日分)
ハリオ 浸漬式ドリッパー スイッチ|外観・付属品
ということで、購入して届いたものがこちら


開封すると、中には次の3つが入ってた

- ドリッパー本体
- 1~4杯用V60フィルター40枚
- 取扱説明書
※フィルターは1~4杯用だけど、抽出量は1~2杯分となるよ
「浸漬式ドリッパー スイッチ」を使ったコーヒーの淹れ方は取扱説明書に記載があったので、基本的にはこれに沿って淹れていくのがいいと思う

詳しくは後ほど実際に淹れながら紹介するね
つづいて、ドリッパーの細かい形状の特徴について見ていこうと思う
まず、ドリッパー本体とスイッチの土台部分なんだけど、これは慎重かつ強く引っ張ると外すことができた

1~4杯用の「ハリオV60ドリッパー」と比較してみたんだけど、ドリッパー本体は特に違いはないんだね


つづいて土台部分を詳しく見ていくと、抽出したコーヒーを放出するかどうかは「スイッチの切り替え」でコントロールしているようだった


下からみると、こんな感じ


中にパチンコの玉みたいなのがあって、それを「持ち上げれば隙間ができる」「持ち上げなければ隙間が埋まる」という仕組みらしい




意外とシンプルな仕組みだけど面白いね、常に「OPEN」の状態にしておけば「V60透過式ドリッパー」としても使える!(1台2役)
ちなみに「玉」と「スイッチ」それぞれのパーツは、こんな感じで取り外すことができたよ




スイッチパーツはシリコン製の土台に差し込んでセットされているので、無理やり引っ張るとたぶん壊れる
だから上手く分解するためには「抜くイメージで引っ張る」ように注意したほうがいいかな


ということで、つづいて実際にコーヒーを淹れてみながら「注意ポイント」を紹介していこうと思う
ハリオ 浸漬式ドリッパー スイッチ| おすすめのレシピ
まず取扱説明書にある「淹れ方」をまとめると、以下のとおり
- サーバー等に乗せたドリッパーに、ペーパーフィルターをセット(スイッチはCLOSE(上向き)にセット)
- 中細挽きのコーヒー粉20gを入れ、お湯をいっぱいまで注ぐ(約240ml)
⇒好みで撹拌(スプーンで混ぜる)させてもOK - そのまま2分程度、浸漬する
- 2分経ったらスイッチをOPEN(下向き)にして、ドリップする
※挽き具合や浸漬時間は好みで調整
親切に説明してくれているようで、いまいち具体性が足りないとこもある…
ということで、もう少し具体的にしたおすすめの淹れ方を紹介すると、以下のとおり
- スイッチをCLOSE(上)にした状態のドリッパーをセットし、そこにお湯を注いでドリッパー自体を温める
- 10秒くらい経過したら、スイッチをOPEN(下)にしてお湯を捨てる
- つづいてフィルターと中細挽き20gのコーヒー粉をセットし、スイッチをCLOSE(上)にしたうえで、92℃のお湯を”勢いよく”いっぱいまで注ぐ(約240ml)
- そのまま2分間待機で、浸漬させる
- 2分経ったらスイッチをOPEN(下向き)にして、ドリップする
※撹拌は基本なしでOK
※5杯ほど実際に淹れながら比較検証してみた結果、この淹れ方が一番バランス良くおいしく淹れられた
ということで、ここからはこのレシピで「実際に淹れてみた様子」を紹介していくね
「ハリオ 浸漬式ドリッパー スイッチ」を使って実際にコーヒーを淹れてみた


スイッチを「CLOSE(上)」にしてお湯を注ぐことで、一定時間お湯がドリッパーにとどまる
これによって芯までしっかりとドリッパーを温めることができると思う
後ほど紹介するんだけど「ハリオ スイッチ」は抽出温度が低くなるから、このひと手間はすごい大事

10秒はあくまで目安で、ドリッパーがぼちぼち温まったと思ったらお湯は捨ててOK


ドリッパーが冷めてしまうので、ここの作業はなるべく早く行うのがおすすめ
ただスイッチは必ず「CLOSE(上)」にしたうえで、注湯するよう注意
ポイントをは勢いよくお湯を注ぐこと
これにより「コーヒー粉とお湯」が混ざり合い、より効率的な抽出ができるようになるよ
※ゆっくり注ぐと味が薄くなったので注意


浸漬時間を2分よりもっと長くしたらどうなるの? という疑問もあるだろうけど、これ以上長くすると抽出後の温度がかなりぬるくなってしまう
だから時間は2分キッチリで、しっかり計って淹れた方がいいと思う


2分経ったらスイッチをOPEN(下)にして、ドリップ
ドリップが完了したら、写真のように「シリコンゴムの下部」を持って取り外す
「ガラス」と「ガラス直下のシリコンゴム」はかなり熱くなっているので、そこは持たないように注意したほうがいい


ということで、次は淹れ終えたコーヒーの「抽出量」「抽出後の温度」「味わい」について、それぞれレビューしていこうと思う
淹れ終えたコーヒーの「抽出量」「抽出後の温度」「味わい」をレビュー
まず「抽出量」について、これは約206gと中サイズの1杯用という結果になった(379.5-173.0(容器分)=206.5g)


「抽出後の温度」はサーバーで70.5℃(直後の温度)が、すぐマグに移した後の温度が64.5℃


「味わい」としてはハリオV60透過ドリッパーと比べると、よりまったりとした感じで十分においしい

気になるデメリットとしては「抽出後の温度がすこし低い」こと
コーヒーの飲み頃の温度といえば70℃弱くらいなんだけど、抽出直後がちょうどそれくらい
これだとすぐに冷めちゃうので、すこし改善したいところ…
改善策としては、次の4つ
- マグカップに直接抽出するように淹れる(最大水量350ml以上)
- 浸漬中のドリッパーに何かしらで蓋をする
- サーバーをギリギリまで温める、真空断熱のあるサーバーを使う
- 注湯温度を96℃まで高める
⇒どれでも効果はあると思うんだけど、必ず一杯分しか抽出しないし、個人的には「①マグカップに直淹れ」がいいかなって思う
ただ最大水量300ml弱のマグカップではコーヒーがあふれそうなので、そこだけ注意


土台部分がかなり分厚い…
ということで、試しに「サーモス マグ(最大水量:350ml)」にセットして淹れてみた▽
抽出後の温度の改善案:マグカップに直淹れ(最大水量350ml以上のマグが安心)

淹れ方は先ほどの流れと全く一緒、とりあえずコーヒーがあふれずに抽出できるか、温度改善ができるか…
350ml以上のマグカップであればあふれる気配はなし
抽出後の温度も70℃以上を確保できた


※サーモスは真空断熱マグカップなので、さっきよりすこし温度が高い結果となったね
飲んだ感じは「飲めるくらいの熱々さ」があり、ちょうどよかった
これで慌てて飲む必要もなく、ゆっくりとコーヒーを楽しむことができそう
ただサーモスに淹れると”金属臭”が強かったので、できれば陶器とか磁器製のマグカップで淹れた方がいいね
まとめ:ハリオ 浸漬式ドリッパー スイッチレビュー|3つのデメリット・6つのメリットとは?

ということで、ハリオ「浸漬式ドリッパー スイッチ」のメリット・デメリットをまとめると、以下のとおり
メリット
- 注湯スピードを気にせず淹れられる
- お湯の計量はなしでもOK(いっぱいまで淹れると240ml)
- だれでも安定しておいしいコーヒーが淹れられる
- スイッチをOFFで淹れると、通常のハリオV60ドリッパーとしても使用可能(1台2役)
- 細かい分解ができるので、手入れもしやすい
- エレガントで美しいデザイン
デメリット
- 豆の消費量が多い⇒1杯(200ml)あたり20gの豆を使用
- 持ち手がなく、抽出後の取り外しが不便
- 抽出後の温度がすこし低い(目安:70℃前後)
いくつかデメリットはあるものの、予め知っておけばそこまで気になるところは無いかな
牛乳とかを入れて飲む方には”ぬるく”なりすぎるかもなので、そこだけ注意
基本的には「簡単、手入れがラク、1台2役で使えるドリッパー」って感じなので、使うメリットは大きいと思う
こんな人におすすめ
- 安定して簡単に淹れられるドリッパーを探している人
- 浸漬式ドリッパーとしても、透過ドリッパーとしても使ってみたい人
- V60系の「エレガントなデザイン」が好きな人
基本V60系のエレガントなデザインが好きな人だったら、十分に試してみる価値があると思う
※40枚のフィルター付き
(1日1杯なら40日分、2杯なら20日分)
※たくさん飲むなら、あらかじめ100枚入りのフィルターも買っておくとラクだよ