ハンドドリップを始めるとき、まず買い揃えておくべきコーヒー器具の1つに「ドリッパー」がある
今回はそんな数あるドリッパーの中でも、今最も人気を集めているハリオの「V60透過ドリッパー」について紹介していこうと思う
こんな悩みを持っている方は本記事が役立つと思うので、ぜひ最後まで参考にどうぞ
- 「ハリオV60透過ドリッパー」って実際どんなドリッパー?
- 「ハリオV60透過ドリッパー」で淹れたコーヒーの味わいってどんな特徴がある?
- 「ハリオV60透過ドリッパー」のデメリットとメリットとは?
- 「ハリオV60透過ドリッパー」の選び方とは?【サイズの違い】【素材の違い】
- 「ハリオV60透過ドリッパー」の全23種類ってどう違うの?

ハリオ(HARIO)は、コーヒー好きといえば”知らない人がいない”くらい「有名なブランド」
なのですこし知っておくと、話が弾んでいいかも!▽
- 1921年に創業された歴史ある企業で、正式名称はHARIO株式会社
- 日本で唯一耐熱ガラスの工場を所持しており、高品質なガラス製品がメインの商品
- 「玻璃王(はりおう)」(ガラスの王様という意味)からハリオという名前がつけられた
- コーヒー器具が特に人気だけど、実は「紅茶関連の器具」や「耐熱ガラスを使ったキッチン器具等」も数多く販売されてる
その他、ハリオについてもっと知りたいという方は、下記リンク先(公式ページ)を参考にどうぞ▽
「ハリオV60透過ドリッパーが人気を集めた理由」について知りたい方は、下記の公式プレスリリースを、ぜひ参考にどうぞ▽
ハリオV60透過ドリッパーの特徴|形状と味わいについて
まずは「ハリオV60透過ドリッパーの形状」についてまとめると、次の3つの特徴がある
- 円すい形のドリッパー
- ”大きな”一つ穴の抽出口
- 上下に伸びる渦状のリブ(溝)
この3つの形状の特徴から、結論ハリオV60透過ドリッパーで淹れたコーヒーの味わいの特徴は、以下のとおりになる
- 雑味はなく、まったりとしたバランスの良い味わい
※さらに抽出スピードをより速めれば、あっさりした味わいにもなる
ここからは形状の特徴①②③が、コーヒー味わいにどう影響するのかをそれぞれ紹介していこうと思う▽
形状の特徴①: 円すい形ドリッパー
まずドリッパーには主に2つの種類があり、それぞれ「円すい形ドリッパー」「台形(扇形)ドリッパー」と呼ばれる
具体的にそれぞれ代表格のドリッパーを紹介すると、以下のとおり
円すい形ドリッパーの代表2つ

ハリオV60透過ドリッパー
(写真:VDG-02-OV)

コーノドリッパー
(写真:MDK-21)
台形(扇形)ドリッパーの代表2つ

カリタドリッパー
(写真:102-ロト)

メリタドリッパー
(写真:SF-P-L 1×2)
※古くから親しまれているものを勝手に選んでます
この「台形」「円すい形」といった形状の違いによっても、コーヒーの味の”傾向”はけっこう変わってくる

それぞれの味わいの特徴をまとめると…こんな感じ▽

- コーヒー粉は「左右に均等」かつ「厚い層」を作る
- 抽出液は比較的滞留せず、すんなりと落ちていく
⇒雑味がなくバランスの良いコーヒーができやすい
※注湯スピードのコントロールが必要になってくる

- コーヒー粉は「不均等」かつ「薄い層」を作る
- 注湯スピードを速めすぎると、下に滞留しやすい
⇒少し癖のあるコーヒーができやすい
(苦味強め、酸味強めとか)
※抽出スピードは比較的緩やかにいれる必要がある
※ただコーヒーの味わいは他にもさまざな要因によって決まってくるから、これはあくまで”傾向”って感じだよ
ただこれは「好みか?」「飲み慣れてるか?」によって好き嫌いが分かれるところなので、どっちが悪いとかはない
だから個人的には台形ドリッパー・円すい形ドリッパーどちらも試してみて、自分の好きな味を見つけていくのがいいと思う
形状の特徴②: ”大きな”一つ穴の抽出口
つづいて、他の円すいドリッパーの中で比較したとき、ハリオV60透過ドリッパーは抽出口が大きいという特徴がある
ハリオV60透過ドリッパーの抽出口とほぼ同じ大きさとなるのが「1円玉」で、他の人気円すい形ドリッパーと比較しても2番目に大きい
抽出口の大きさ違い
origamiドリッパー > ハリオV60透過ドリッパー > クリスタルドリッパー > コーノドリッパー
※ハリオV60透過ドリッパーが1円玉と同サイズ




(MDK-21)
拡大した様子




(MDK-21)
この「抽出口のサイズ」もコーヒーの味わいに影響を与える1つの要因で、抽出口が大きいことは次のメリット・デメリットを生み出す
メリット
- 抽出スピードを自分でコントロールしやすい
- 抽出スピードをコントロールすれば、味わいの幅が広がる
- 抽出速度が速くなりやすいので、過抽出を防ぐことができ、雑味が少なくしやすい
⇒色んな淹れ方を楽しめる、淹れ方でも味が変わってくる
デメリット
- 狙った味わいを出すには、抽出スピードをコントロールする技量や工夫が必要となる
(ドリップスケールの活用など)
⇒難易度はすこし高めで、味はブレやすい
味わいを安定させるにはすこし技術や工夫がいるものの、味わいの幅が広がることから「プロ」から「コーヒー愛好家」まで、多くの人に親しまれている
早く淹れればあっさりした味わいにもできるし、ゆっくりと抽出すればまったりとした味わいにもできる…!
形状の特徴③:上下に伸びる渦状のリブ(溝)
つづいてハリオV60透過ドリッパーといえば、内側の上下にスパイラルリブ(渦状の溝)が特徴的

このスパイラルリブによって、コーヒー粉を蒸らす際に「フィルター」と「ドリッパー」との間に適度な隙間が生まれ、コーヒー粉の膨らみを助けてくれる
具体的に今回はカリタドリッパーと比較してみたんだけど、下の方まで「均一的」に粉を膨らませるという観点では、やっぱハリオV60透過ドリッパーの方がより優れている気がする▽

コーヒー粉が膨らむとコーヒー粉間に適度な隙間が生まれるので、抽出されたコーヒー液は適度に抽出口へと流れていく
適度にコーヒー液が流れていくと、滞留のしすぎによる「過抽出(雑味の原因の1つ)」を自動的に防いでくれるので、これは嬉しいポイントだと思う
ハリオV60透過ドリッパーの「形状の特徴」と「味わいの特徴」まとめ
ということで、あらためてそれぞれの特徴をまとめていくと、以下のとおり
形状の特徴①:円すい形ドリッパー
⇒厚いコーヒー粉の層ができやすいけど、長く滞留しにくい形状なので、比較的バランスのとれたコーヒーになりやすい
形状の特徴②:大きな1つ穴の抽出口
⇒適度な抽出スピード(3分以内)で注げばまったりとしたコーヒーを淹れられるうえ、抽出スピードを早める(2分以内とか)と軽くてあっさりしたコーヒーを抽出することも可能
形状の特徴③:上下に伸びる渦状のリブ
⇒コーヒー粉の膨らみが十分に行えるのでコーヒー液が滞留しにくく、過抽出を防ぐことができることから雑味のないコーヒーを抽出しやすい
- 雑味はなく、基本的にはまったりとしたバランスの良い味わいになる
- さらに抽出スピードをより速めれば、あっさりした味わいにもなるなり味わいの幅も広い
まとめると、ドリッパー選びで失敗したくない方は、とりあえず「ハリオV60透過ドリッパー」を選んでおけば間違いないよ…!
ハリオV60透過ドリッパーの選び方|「サイズの違い」と「素材の違い」を解説
つづいてここからはV60透過ドリッパーの「サイズの違い」と「素材の違い」について、簡単に解説していこうと思う
実はハリオV60透過ドリッパーってそれらの違いで計23種類ものドリッパーがあるんだけど、そんなに多いと最初はよく分からなくなる
だから自分に合ったものを見つけるために、ここはぜひ参考にしてみてほしい
ハリオV60透過ドリッパーの選び方 |サイズの違いとは?
まず、サイズの違いとしては、「1~2杯用」「1~4杯用」「1~6杯用」の3つがある
基本的にハリオV60透過ドリッパーは「大は小を兼ねる」ものなので、たとえば「1~6杯用」であっても1杯分を淹れることは可能
ただ無駄にサイズが大きいと、以下2つのデメリットが生まれるので、ドリッパーはなるべくちょうどサイズを選ぶ方がいい
- 場所を取る
- 注湯コントロールが難しくなる(注ぐ口からコーヒー粉までの距離が長くなるから)


あと純粋に、”価格”がすこし上がっちゃうデメリットもあるよ
ということで、サイズを選ぶ基準をまとめると、以下のとおりになる
- 基本1人でコーヒーを楽しむ方は「1~2杯用」がベスト
- 基本2~3人で楽しむことが想定されるなら「1~4杯用」がベスト
- もし、基本4~5人で楽しむことが想定されるなら「1~6杯用」を選ぶ
ハリオV60透過ドリッパーの選び方 |素材による違いとは?【見た目以外で何か変わるの?】
結論からいうと、まずドリッパーの素材で味が大きく変わることはない
だから素材を選ぶときには「価格」「デザイン」「使いやすさ」を基準に、”好きなもの”を選んでOK
下記にハリオV60透過ドリッパーのメインとなる「素材4つ」について、実際の写真や価格帯、使いやすさについてまとめているので、ぜひ参考にどうぞ
素材①:ポリプロピレン製(プラスチック)

価格帯
500円前後(一番安い)
使い勝手
- 1番軽い
- 落としても割れにくい
- 劣化は早い
素材②:耐熱ガラス製

価格帯
2000~4000円
使い勝手
- 劣化しにくい
- すこし重め(気になるほどではない)
- 落とすと割れる可能性が高い
素材③:磁器製(セラミック)

価格帯
2000円前後
使い勝手
- 劣化しにくい
- 1番重たい
- 落とすと割れる可能性が高い
素材④:金属系(メタル・カパー)

価格帯
3000円~
使い勝手
- 2番目に軽い
- 落としてもほとんどの確率で割れない
- 内面は長く使うと変色しやすい
- 金属味が気になる人もごくごく稀にいるらしい
※食洗器の利用は全て可能
ということでまとめると、以下とおり
デザインを重要視する方
⇒レトロでかわいい「磁器製」、エレガントでおしゃれな「耐熱ガラス製」がおすすめ(人気も高め)
安さを重要視する方
⇒ズバ抜けて安い「ポリプロピレン製」がおすすめ
使い勝手を重要視する方
⇒適当に扱っても壊れにくい「金属系」がおすすめ
ただ素材によっては”好みのサイズがない”場合もあるので、そこは次のまとめを参考にどうぞ…!
ハリオV60透過ドリッパーの全23種類をまとめて紹介
ということで、つづいてはハリオV60透過ドリッパーの全23種類を、”各素材ごとに整理”しつつまとめて紹介していこうと思う
と、その前にドリッパーを購入する際には、フィルターを買い忘れないよう注意してください▽
※各サイズに合ったフィルターがあるので注意
※「ホワイト」と「無漂白(みさらし)」があるが、基本的には紙の臭いがないホワイトがおすすめ
下のリンクから、気になる素材のドリッパー一覧へ進むことができるよ▽
① ポリプロピレン製:計7種類を紹介
ポリプロピレン製(プラスチック)のバリエーションは豊富で、3つのサイズに対応しており、カラーも「クリア(透明)」「ホワイト」「レッド」の3つから選ぶことができる
ただし、「1~6杯用」はクリア(透明)しかないので計7種類となる
①透明の1~2杯用
②透明の1~4杯用
③透明の1~6杯用
④ホワイトの1~2杯用
⑤ホワイトの1~4杯用
⑥レッドの1~2杯用
⑦レッドの1~2杯用
② 耐熱ガラス製:計8種類を紹介
耐熱ガラス製のバリュエーションも、実はかなり豊富
「ホルダーの違い」や「サイズの違い」「カラーの違い」によって、計8種類ある
①ブラックのプラスチックホルダー:1~2杯用
②ブラックのプラスチックホルダー:1~4杯用
③ホワイトのプラスチックホルダー:1~2杯用
④ホワイトのプラスチックホルダー:1~4杯用
⑤レッドのプラスチックホルダー:1~2杯用
⑥レッドのプラスチックホルダー:1~4杯用
⑦オリーブウッドのホルダー:1~2杯用
⑧オリーブウッドのホルダー:1~4杯用
③ 磁器製(セラミック):計5種類を紹介
磁器製(セラミック)には2サイズ(「1~2杯用」「1~4杯用」)×2カラーで、基本的には計4種類
⇒ただ、2016年ワールドバリスタカップで優勝した「柏谷さんとの共同開発モデル」が1つ追加であるので、実際には計5種類となるよ
①ホワイト:1~2杯用
②ホワイト:1~4杯用
③レッド:1~2杯用
④レッド:1~4杯用
⑤柏谷モデル(ブラック):1~4杯用
柏谷さんはコーヒーの最適な抽出方法として「4:6メソッド」というのを提唱しているんだけど、その抽出方法を初心者でも簡単にできるよう開発されたものがこの柏谷モデルというドリッパー
そのため抽出時間が遅くなる構造になっており、通常のV60ドリッパーとは異なるので、そこは注意が必要
浅煎りコーヒーのあっさりとクリアなフレーバーを楽しみたい時や、そんなコーヒーが好きな方に良いドリッパー(らしい)
詳しくはこちらのYouTube動画を参考にどうぞ▽
私はすこし深煎り気味が好きで、浅煎り向けの柏谷モデルはまだ試してない これは気が向いたらまた試してレビューしてみます…!
金属系(ステンレス・銅):計3種類
金属系には大きく2種類の素材(ステンレス・銅)があり、サイズは一貫して「1~4杯用のみ」
種類としては計3種類となる
①メタルドリッパー(本体:ステンレス、ホルダー:シリコン)【シルバー】【1~4杯用】
②メタル(本体:ステンレス、ホルダー:シリコン)【マットブラック】【1~4杯用】
①カパー(本体:銅、取っ手:真鍮)【ブロンズ】【1~4杯用】
まとめ:ハリオV60透過ドリッパーの味の特徴とは?|全23種類の違いとは?

以上、ハリオV60透過ドリッパーの「味の特徴」「各種ドリッパー」の紹介はここまで
今回は誰でもハリオV60ドリッパーの特徴がわかるよう、かなり細かく紹介してみただけど、参考になったかな…?
あらためていうと、個人的にはハリオV60ドリッパーなら買っておいて損はないと思ってる
とりあえずハリオV60ドリッパーを買いそろえて、気になれば他にも様々なドリッパーを試してみて、好みのものを見つける
そんな流れで楽しんでいけばまず間違いない、ということで一緒にコーヒーを楽しんでいきましょう!
※まだドリッパーの詳細を見れてない方は、下記からそれぞれ気になるところへ飛べます▽
追記①:ハリオV60シリーズに「浸漬式ドリッパー スイッチ」が登場
ハリオV60シリーズに「浸漬式ドリッパー スイッチ」が登場 …!
浸漬式ドリッパーはまだ数がかなり少ないので、聞き慣れない人も多いと思う
簡単にいうと、コーヒー粉を一定時間漬け込んで抽出する方法で、「透過式」のドリッパーとはすこし違うものとなるよ
誰でも簡単にコーヒーを淹れられるうえ、1台2役としても使えて便利だから、興味がある方はこちらの詳細レビュー記事も参考にどうぞ▽

追記②:ハリオV60の最新シリーズ「1回抽出ドリッパー MUGEN(無限)」が登場
ハリオV60の最新シリーズとして初心者向けに「1回抽出ドリッパー MUGEN」が新たに登場…!
抽出口をサイズダウンし、リブを少なく浅くすることで、「蒸らしなし」「注湯回数1回」を実現
「ハリオ スイッチ」よりも更にコーヒーを淹れる手順が簡略化された、透過式のドリッパーとなってるよ
気になる方はこちらの詳細レビュー記事を、ぜひ参考にどうぞ▽
